日本では10月1日より郵便料金が引き上げされた.郵便料金について,日英の勤労者ベースの平均所得(中央値)で比較する.2023年時点で,日本の平均所得は405万円(厚労省調査)で単純な月額は33.7万円.封書(50gまで)110円,速達(250gまで)300円であるので,封書は0.033%,速達は0.089%となる.
同じ規格でイギリスの郵便料金は,封書(2nd class,100g以内)で£0.85,速達(1st Class)で£3.50であり,所得比ではそれぞれ0.028%,0.117%となる.なお,イギリスでは1st
ClassはWe aim to deliver the next working day, including Saturdays,2nd ClassはWe
aim to deliver in 2-3 working days, including Saturdaysとされている.
このように,まだイギリスの方がやや料金は高いとみられる.
さて,郵便配達の一人当たり収益でみると,日本は値上げにより向上が期待できる.さらに,この数値を上げるには,さらなる料金の値上げもあるが,イギリスでの郵便集荷方法がある.
写真のポストはロンドンの街中のポストの集荷時間を示しているが,月曜~金曜は17:15の1回,土曜日は12:00の1回,日曜日はない.他方,日本はどうであろうか.集荷時間は1日あたり2~4回(私の近所のポストは3回),しかも日曜日,祝日であっても2回の集荷がある.これをイギリス式にすれば,人件費削減につながるであろう.
もっとも,日本の郵便も普通配達の場合,本州以外の地域になると,水曜日までに投函しないと同一週内に着かない状況に変更されている.日本でも,今後,集荷回数の減少が実施されるのではなかろうか.こうして,郵便は生産性を向上させているとすると,普通配達の郵便の利用者の利便性は低下する.配達の時間を早めるためには,追加の料金(速達やレターパック等)が必要となるのも当たり前となってくるんだろうね..